漫画の主人公を題材としたユニークな彫像をご紹介いたします。 ドイツの漫画「猿のフィップス」をモチーフに、アール･デコ時代に活躍したアーティスト、アレクサンダー・シュトルック（1902-1990)が見事に造形化した作品です。 この漫画は「マックスとモーリッツ」というドイツで最も有名な漫画の作者、ヴィルヘルム・ブッシュ（1832-1908年）が1879年に著したもので、韻を踏んだリズミカルな文章でたちまち人気を博しました。 いたずら者の猿のフィップスが人間のようにめかしこみ、天蓋付きの贅沢なベッドに身を沈め、さて次は何をしようかとたくらんで笑みをもらしている姿が繊細に表現されています。 造形にも絵付にも遊び心が感じられる稀少な作品です。

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