「フクロウ」は日本では招福、ヨーロッパでは知の女神ミネルヴァの遣いと言われています。マイセンにはフクロウをテーマにしたプラーク、彫像、花瓶など多くの作品があります。今回はその中でも手びねりで作られた可愛らしく、ユーモラスな「フクロウの楽隊」をご紹介します。手びねりの技法は、現代マイセンの造形の名手、ペーター・シュトラング(1936-2022)が考案しました。石膏型を使用し制作される伝統的な人形制作とは異なり、磁土をこねて自由に作られます。一つひとつ職人が手作りする味わいと愛らしい表情を楽しめるのが魅力です。本作品のフクロウたちは、年末の「第九」の演奏に向けて練習に励んでいるようです。