MEISSEN マイセン:ヴェルナー教授による花や木を描いた作品のご紹介
ハインツ・ヴェルナー教授が考案した物語をモチーフとしたファンタジーなシリーズ「アラビアンナイト」「サマーナイト」「ほら吹き男爵」などはよく知られていますが、今回は、1970年から1980年に花や木の自然をモチーフにデザインされた代表的な絵柄をご紹介いたします。木の葉の中に四季を表現した「森の木の葉」、抑えた色調で描かれた「アーモンドの樹」、絵画のような「ブルーオーキッド」、鮮やかな色と自由闊達な筆運びが印象的な「深紅の菊」、そして風に揺られる花を水溶性顔料を用いて繊細に描いた「風の花」。いずれも当時開発された絵付技法や焼成技術を駆使して開発されたもので、「生きる喜びの表現」にあふれた作品です。
「森の木の葉」、1973年頃考案、絵柄番号:610610
染付の技法を用いて描かれた木の葉。木々が芽吹き始める黄、鮮やかな葉のグラデーションの緑、落ち葉の色の茶、雪をイメージした半透明のエナメル彩により四季も表現した絵柄です。当時は狩猟や森に宿る生命をテーマーとした「狩り」シリーズと組み合わせて飾られていました。
「アーモンドの樹」、1975年頃考案、柄番号:700110
繊細で魅力的な柄で、水墨画のような落ち着いた色調が特徴です。洗練されていて上品なこの絵付からは、春の風が感じられます。早春のマイセンを散歩していてインスピレーションがわいた、とヴェルナー教授自身が語っているように、春の芽生えや、柔らかなその息吹が感じられる仕上がりです。
「ブルーオーキッド」、1975年頃考案、柄番号:824001
コバルトブルーの染付で描かれた本作は、ヴェルナー教授が人間と自然への慈しみをテーマに生み出した絵画性の高いモチーフ。
ほのかなパステル調から深い青まで、微妙な色のニュアンスで描き出された蘭の花と、枝の上の細かい筆使いが印象的です。
「深紅の菊」、1978年頃考案、柄番号:610710
珍しい鮮やかな色合い、自由闊達な筆運びに特徴があります。花の色を濃淡で描き分けることにより、菊の花の丸い立体感が表現されています。青と緑の枝は自由に伸び、葉は控えめに描かれ、花一輪ながらも印象的なデザインです。
「風の花」、1985年頃考案、柄番号:660410
1980年代のヴェルナー教授のデザインは具象を超え、雲や風、男女の愛など多種多様なモチーフを表現していきました。本作品は下絵付、水溶性顔料、上絵付のコンビネーションによって、風に揺られる花を繊細に描いています。
※参考:勝川達哉氏著、巨匠ハインツ・ヴェルナー 食器装飾誕生の物語ー「現代マイセン」はこうして出来上がったー