2013年12月、マイセン磁器製作所の絵付師、ジモーネ・ザングさんが西武池袋本店マイセン展のために来日し、6日間絵付実演を行ないました。
卓越した技術を披露したザングさんのインタビューをご覧ください。


▲ジモーネ・ザング氏
ジモーネ・ザング氏 プロフィール
Simone Sang
1975年 マイセン近郊ヴァインボーラに生まれ、1994年から1998年 マイセン磁器製作所付属養成学校で絵付を習得しました。養成学校ではデッサンと水彩画を1年間習い、その後磁器用の顔料を用いて、マイセンの花絵付を幅広く学びました。卒業後は染付部門でも修業を重ね、3年間の育児休暇後、再び上絵付部門で現代の柄である「森の声」や「マーガレット」の絵付に従事しました。その卓越した技術によって、2009年からは限定作品にも携わり、染付・上絵付の両部門で得た幅広い知識と経験を生かしています。2011年にはアーティスト、ホルスト・ブレッチュナイダーのデザインしたモチーフを描くプラーク部門に異動となり、ブレッチュナイダー独特の作品世界を描きだせる数少ない絵付師として活躍しています。
実演風景
▲実演風景
手元の拡大
▲手元の拡大
- いちばん好きな絵柄は何ですか?それはなぜですか?

ジモーネ・ザング氏(以下S・S):好きな絵柄はたくさんあるので、ひとつあげるのは難しいですね。
最近描いたものの中では、プラークのアジサイの花が好きです。
これはブレッチュナイダーさんのデザインです。色とりどりではないのですが、優しく爽やかな色使いで描いていてとても気持ちがいいのです。

- 今まで描いた中で、一番印象に残っている作品/楽しかった・難しかった作品は何ですか?

S・S:印象に残っているのは、やはりブレッチュナイダーさんデザインの春夏秋冬の大きなプラークや、世界限定作品の「木蓮とオウム」など、大きくて大変でしたが、やりがいがあり楽しかったです。

インタビュー中に登場した 好きな絵柄の作品と印象に残っている作品

2013年世界限定作品 プラーク「紫陽花」

2012年世界限定コレクション プラーク「木蓮とオウム」
- 今後、挑戦をしてみたいことはありますか?(描きたい絵、それ以外でも)

S・S:これから描いてみたいのは、様々なモチーフのプラークです。風景、人物、花……まだ描いたことのない、いろいろなモチーフに挑戦したいと思います。プライベートでは、アクリル絵具による絵画やエッチングもやってみたいですね。

- マイセンで抱いていた日本や日本の磁器のイメージと、実際来日しての日本の印象はどうですか?

日本に来る前は、東京は現代的な高層ビルが立ち並ぶ街だと思っていました。たしかに実演をさせていただいた西武池袋本店のまわりは、大きなビルばかりですが、池袋から宿泊先の目白のホテルまで徒歩で行くと全然違うのです。
大通りから路地に入っていくと閑静な住宅街があり、小さな公園や庭園(注・目白庭園)もあって緑や池もあり、小鳥のさえずりも聞こえます。これはイメージと違っていたので驚きました。それに、なんといっても新鮮な驚きだったのが、電線が地上にあったこと!思わず写真を撮ってしまいました(笑)。(注・ドイツでは電話が地下に通されているのが一般的)
そして、日本の方々がとても礼儀正しく親切だったこと。ラッシュアワーの電車も少しだけ経験しましたが、混んだ電車の中でも他人への配慮があり、素晴しいと思いましたね。
一番素晴しかったのは、やはりお食事です!一回の食事に多彩な食材が使われていて、目も楽しませてくれる。ですから滞在中はできるかぎり和食をいただきました。

- 日本のファンにメッセージをお願いします。

S・S:日本に初めて来て、日本の建物や食事、日本人の趣味や好みなどを垣間見ることができました。ですから、これから日本向けの絵柄のデザインをするときには、今までとは違ったインスピレーションが得られるのではないかと思います。またどんなものでも日本からの注文で描くときには、日本で過ごした日々を思い出しながら、日本を身近に感じながら、描くことと思います。