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マイセン絵付師、ホルスト・ブレッチュナイダー氏によるインタビュー

2017年4月、マイセン磁器製作所の絵付師、ホルスト・ブレッチュナイダー氏が、そごう千葉店で開催された絵付の実演のために来日しました。今回の「マイセン展」では、ブレッチュナイダー氏がデザインを考案した絵柄のユニカート作品も展示され、実演会では卓越した技術の絵付を披露しました。マイセンのトップアーティストとして活躍する、ブレッチュナイダー氏のインタビューをご覧ください。



▲ホルスト・ブレッチュナイダー氏 プロフィール

ホルスト・ブレッチュナイダー氏 プロフィール
Horst Bretschneider

1952年 ヤーナに生まれる
1968年 10年間の義務教育を終了
1968年~1972年 国立マイセン磁器製作所で磁器絵付師として修業を積む
1972年 花と果物柄の絵付師として、養成学校を「優」で卒業
1972年~1978年 果物画の絵付師として活動
1979年 「芸術の発展をめざすグループ」のメンバーとなる
1979年~1995年 数多くの絵画をもとに磁器プラークへの絵付を行い、 また多くの特別制作を行う
1985年 磁器による壁面装飾の構想・制作部門を担当し、 ハインツ・ヴェルナー教授、フォルクマール・ブレッチュナイダーとともに活動する
1986年~1996年 「エキゾチックな水辺の花」など、ルードヴィッヒ・ ツェプナー作のフォーム「グローサー・アウスシュニット」 にさまざまな絵付を行う


卓越したデッサン力と自然描写力に定評があり、伝統に裏付けられた独自のアイディアで多くの芸術的な作品を生み出しています。
 ▲実演中のブレッチュナイダー氏

-  今回のマイセン店で展示しているユニカート作品(1点ものの作品)、富士山を描いた四季シリーズのプラーク4点についてお話しいただけますか?

富士山は世界で最も美しい完璧な姿をした山のひとつだと思います。荘厳な美が感じられ、まさに日本のシンボルといえるでしょう。そこで、富士山を4枚のユニカートのテーマにし、春夏秋冬それぞれの季節の中に、現実の富士山とフィクションの風景を描いてみました。フィクションの風景というのは、たとえば「秋」に描かれた赤い紅葉ですが――これは私が11月に訪れた京都で見た景色を思い浮かべて描いたものです。寒い日が続いた後に鮮やかに紅葉した感動的な光景が忘れられませんでした。それを富士山の装飾として用いたわけです。こんな光景があったらどんなに美しいだろうと思って……。それを皆さんにも楽しんでいただけたらと思います。

富士山を描いた四季シリーズ。

マイセン磁器製作所で50年を過ごしたホルスト・ブレッチュナイダーさんの、日本への思いがつまった作品となりました。1枚しか作られることのない「ユニカート」作品です。(サイズ:各約42×55.5cm)


U5242/630090「春」
爽やかな早春の雰囲気が全体から感じられます。春を告げるモクレンの花が「貼花」手法で付けられ、作品に奥行と立体感を与えています。モクレンの下には梅の花も見てとれます。


U5243/630090「夏」
日本を訪れた時に見た富士山と、想像で描いた夏の茶畑と菜の花畑が組み合わせられました。(そのため、夏の富士山も雪を頂いています。)


U5244/630090「秋」
ブレッチュナイダーさんが日本で見た富士山を見事な紅葉で彩りました。手前から中央にかけての紅葉のグラデーションは、23金をさすことでキラキラと光り輝き、まるで太陽の光を浴びているかのようです。富士山の麓のぼんやりと描かれた部分は、秋の霧を表わしています。ひとつひとつ手で形づくられたもみじの葉が貼り付けられ、作品に奥行と立体感を出しています。ブレッチュナイダーさんの技術と芸術性の集大成ともいうべき大作です。


U5245/630090「冬」
日本で富士山を見た印象をもとに、芦ノ湖を描いた作品。富士山と芦ノ湖以外は、すべて想像で描かれています。冠雪した末の枝に2羽のふくろうを描いたのはまさに、ブレッチュナイダーさんらしいユーモラスなアイディアと言えるでしょう。幻想的な太陽が、全体に忘れがたい趣を与えています。

- ブレッチュナイダーさんは50年間、マイセン磁器製作所で絵付師として仕事を続けてこられましたが、印象的な思い出を何かひとつご披露ください。

B.H.:1993年に勤続25周年を迎えたときのことです。同じ部門で一緒に働いている15人の仲間たちが、私を家まで迎えて来て、私に「宮廷絵付師」の扮装をさせたのです!帽子とマントで扮装し、なんと私は本物の馬に乗せられて、皆と一緒にマイセン磁器製作所まで行進したのです。手には、2メートルもある大きな作り物の筆とパレットを持たされて。まるで騎士の槍と盾みたいにね(笑)。そのいでたちでマイセン磁器製作所に到着すると、たくさんの仲間たちが音楽と拍手で歓迎してくれました。それはもう、忘れられない思い出ですね。

▲マイセン展の会場でブレッチュナイダー氏の作品とともに記念撮影

- これからのマイセン、後継者に望むことは何でしょうか。

B.H.:マイセン磁器がいつまでも特別なものであってほしいと願っています。それぞれの世代の絵付師たちが、それぞれの発想(アイディア)を育て、その創造性で、マイセンの顧客、マイセン磁器のファンを驚嘆させてほしいと思います。後継者については、私はまったく心配していません。彼ら、彼女たちは発想が豊かで、才能に溢れています。秋には、私が指導してきた女性の絵付師が実演のために日本に来る予定です。

マイセンファンの皆さん、これからもマイセン磁器を愛し、使い、楽しんでください。この場をお借りして、マイセンを愛する日本の皆さんにお礼を申しあげたいと思います。