2011年10月に、ドイツよりマイセン磁器製作所の絵付師(磁器の絵付専門職人)ウーテ・ハーゲドルン氏が
マイセン展での実演のために来日し、日本橋三越本店にてマイセンの絵付技術を披露しました。
マイセンの絵付師として活躍する、ウーテ・ハーゲドルン氏のインタビューをご覧ください。

▲ウーテ・ハーゲドルン氏
ウーテ・ハーゲドルン氏 プロフィール

Ute Hagedorn
1961年ライプツィヒ生まれ。
1978年から1982年までマイセン磁器製作所付属養成学校で修業。
花と果物専門で、中でも自然主義的な手法による高度な絵付を得意としています。


- マイセンの絵柄のなかで、一番好きな絵柄は何ですか?

ウーテ・ハーゲドルン氏(以下U・H) : 一番好きな絵付は、自然主義の果物絵付です。
なぜなら、私は自然が大好きだからです。私は自然のなかをよく歩き回ります。
そして、私にとって最も興味のある、自然のオブジェの光と影の効果を、好んでスケッチします。




自然主義の果物絵付がされた花瓶「花と果物」
三越のマイセン展でも展示された作品 
自然主義の絵付けがされた花瓶「花と果物」
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今まで描いた中で、一番印象に残っている作品、楽しかったあるいは難しかった作品は何ですか?

U・H : 165ピースからなる食器セットを描いたことです。それぞれの食器に違った構成の様々な果物を描きましたが、その絵柄はすべて私に任されました。普通の果物だけでは数が足りないので、その時初めていろいろなエキゾチックなフルーツを描いたのです。とても面白かったですね。
それ以来、そうしたエキゾチックな果物が、自然主義の果物絵付のレパートリーに入っています。

- 今後、挑戦をしてみたいことはありますか?

U・H : 私の一番の目標は、これからも引き続き、ブラウンスドルフ教授の絵付を手本とした白然主義の絵付において、完璧をめざすことです。
それから、私は半年ほど前から時々、外国からのゲストのアーティストのお世話をしていて、それがとても楽しいのです。
ですから、英語をもっとブラッシュアップして、作品作りにも協力したいと思っています。

- マイセンで抱いていた日本や日本の磁器のイメージと、実際に来日しての印象について
   違いなどありますか?

U・H : 初めての日本滞在で、私は圧倒的な印象を受けました。私に向けられた敬意に感動したのです。 
日本人の配慮、礼儀正しさ、おもてなしの心、そして繊細なお料理の数々、実演の前後に出かけた東京の様々な場所、何もかもが感動的で、想像を超えたものでした。すばらしい日本にお招きいただき、日本の文化、日本人の心の豊かさに触れる機会を与えられたことは、私にとって望外の喜びでした。
この一週間は、私にとって忘れがたい日々となりました。

- 日本のファンにメッセージをお願いします。

U・H : どんなに技術が進歩しても、魂を込めて作る手作りのものは変わりません。人と手作りのものとの結びつきを大切にして、私はこれからも、どんな小さなものでも心を込めて、作品を作り上げていきたいと思います。